英語リスニング・クリニック



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日常会話のリスニングはできるが、高度な内容になると聞き取れない、会議やスピーチなどの場面で英語を聞き取れるようになりたい、という人におすすめなのが本書。放送通訳の第一人者たちが、通訳養成のためのトレーニング方法を用いてリスニング力を高めるためのアドバイスをする、というところに最大の特徴がある。

テキストの切り口も斬新である。本書では、冒頭で院長と先生の「Doctors' Conference」が催され、佐藤雄太、山田早紀という2人の「患者」のリスニング力をアップさせるための方法について話し合われる。読者は、ここに掲載されている「リスニング力診断表」を見て、自分に何が欠けているのか、どうすればリスニング力をアップできるのかがわかるようになっている。

?「会議」が終わると、次は佐藤雄太、山田早紀というタイプの違う患者のリスニング力をアップさせるための具体的方策が提示される。音声訓練の不足、学校英語の影響、情報処理訓練の不足という問題を抱える佐藤雄太に対しては、母音、子音の聞き分け、ディクテーション、シャドウイング、スラッシュ・リーディング、スラッシュ・リスニング、ラピッドリーディングなどのテクニックが提示され、語彙力、英文法、一般教養といった知識や集中力が欠如している山田早紀に対しては、語彙力強化、英文法・構文の強化、音読即訳などのテクニックが提示されている。読者は、付属のCDを使って彼らと同じように訓練をすることで、知らず知らずのうちにリスニング力をアップさせることができる。

本書は、きわめてわかりやすく書かれているため、中学英語がわかる人ならひと通りは学べるが、後半のスピーチや新聞記事を読む訓練などは多少レベルが高く、中級者向けといえる。ある程度日常会話はこなせるが、さらにリスニング力に磨きをかけたい、という人におすすめしたい1冊である。(土井英司)



リスニング学習の実況中継

この本は、二人の主人公(患者=英語学習者)を通して体験するリスニング学習の物語もしくは実況中継です。ですから、電車内などで、CDを使う部分は読み飛ばしつつ、一度全体をさらっと読んだ後で、机に向かった学習に移った方が効率が良いと思います。学習する内容は、オーソドックスな通訳訓練の手法ですが、あらためて各手法の重要性が、物語を通して疑似体験できます。発音/語彙の重要性、シャドーイング/リプロダクション/スラッシュリーディング(リスニング)の効果、テーマを絞った読書の効果、多読(聴)と精読(聴)のバランス、ノートテイキング/逐次通訳の注意点などです。

読み物として面白かったのは、主人公の一人「山田早紀」のアキラ先生への恋心、アキコ先生の「中身のある英語(ペラペラうわべ英語からの脱却)論」などです。グラマーなユミコ先生にも是非教わってみたい!

最後に、リュウコ先生ファンとして一言「リュウコ先生!DLS法の独習本出して下さい。待ってます!」
リスニング向上のためにはベストの本

この本はあまたある英語のリスニング力を高める本の中で、私は最高のものだと思う。同時通訳者として有名な4人がどうしたら日本人が特に弱いリスニング力を伸ばせるかを、ふたりの生徒を実験台に見せてくれる。他のリスニング専門の本に多くある、この音とこの音がつながって聞こえるから日本人には聞こえないなどのくだらない一時しのぎ的なリスニング向上書ではなく、実際リスニングを向上させるにはこれだけたくさんのことを、毎日やっていかないといけないんだということがわかり、正直言って「大変すぎてめげそう」になるが、結局は急がばまわれなのだろう。私は4ヶ月に1度のわりで、この本を読みながらCDを最初から聞いている。

欲を言えば、この本では生徒がやらされるすべての問題が本やCDに入っていない。例えば発音の問題では100問、生徒がやらされているのに、本では20問しか載っていない。また、生徒には宿題も出ているのに、それも載っていない。さらにシャドーウィングにしても、テキスト上では先生が時々テープを止めて区切っているのに、CDはそのようになっていない。できれば、すべてを網羅したものをもう一度このレベルで出してもらえないだろうか?
納得の一冊

内容的には、最近紹介され始めたトレーニング方法と重複するところもかなりあるが、値段の割にはトレーニング素材が充実している。
特に、自分で使いこなせる語彙と認識すべき語彙のギャップの激しい人は語彙の強化をしなければならない、と言うようなことは、当たり前のことかもしれないが、本書を読んであらためて気付いた。

私は後半に出てくるタイプに近かった。自分の足りない部分を強化しようと思う。

本書の唯一の欠点は、発音自体の解説が不十分であること。早口言葉をいくら練習しても滑らかなカタカナ英語になるだけ。この部分には誤解を招くような表現もあったため、評価を下げて申し訳ないが星を一つ下げた。

もちろんそれがこの本の出来を大きく左右するわけではないが、厳密に“通じる英語を目指す人は、発音専門書を一冊、同時に仕上げることをおすすめする。
英語を聞くことは発音をしることのようだ

 確かに、発音について聞き取る訓練をすることで、何を言っているのか、つまり、実際そんな単語があるかどうかは別として聞き取れるようになってきた。 今までは、語如語如としか聞こえなかったノイズが、チューニングを合わせたかのように”eigo”として聞き取れ始めたからあら不思議。これからは、聞き取った音声が間違ってないかを確認するためにも、単語と言い回しの基本である文法を憶えなければ。
 ひとつ不満をいえば、収録されている音声の中に、癖のある英語を話す人が多いことくらいかな。初心者には余計に難しいです。
ぞっとするほどに

この本の患者である佐藤雄太(の英語歴)はぞっとするほど私にそっくりだった。英語歴、弱点、何もかもがそっくりだ。頭が固く、自身がない、それでいて、英語力を伸ばして将来に生かしたい、という気持だけはだれにも負けない。実際私も、個人レッスンを受けたことがあり、同じようなメソッドを用いて同じような指摘を受けていた。違うのは、先生はとても優しく、間違いを辛らつに指摘することが無い点だ。先生の私に対する苦笑いの裏にどんな感情と分析が隠されていたのかを垣間見るようで、なんだか恥ずかしくなった。

CDを使って、もう一度リスニングをやり直しだ(と妙に意気込むところがまた佐藤雄太にそっくりだ)リラックス、リラックス、そして集中!



研究社出版
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